京都大学大学院 情報学研究科 数理工学コース 応用数学講座
数理解析分野


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関西可積分系セミナー (2000年7月14日)

日時
2000年7月14日(金)15時-16時30分
場所
大阪大学基礎工学研究科数理科学ディスプレイ室(J617)
今井潤 (NTT コミュニケーション科学基礎研究所)
On the Algebraic Generalization of Coding Theory and Decoding Methods Based on Group Cohomology Theory

有限体上の線形空間をなさない非線型符号は一般にその性能の点で線形符号をはるかにしのぐものであるが,その一般的性質,組織的構成法,一般的復号法は未知であり,個別の符号に対して一つ一つ具体的に調べるより研究方法は存在しなかった.しかし近年,環上の加群の isometry map (homomorphism でない)の像として組織的に非線型符号を構成する方法が発見され,同時にこの方法で定義される事が判明したいくつかの既存の非線型符号に対してはその隠された性質が解明されるようになった.そこで本研究では非線型符号の組織的研究への応用を見込んで,環上の加群あるいは一般に基底の存在しない代数的構造を用いて符号を捕らえ直し,その代数的一般化モデルを提案し,誤りの概念や距離を導入し,同時にその復号法を与えた.これにより環上の加群から定義されるような非線型符号に対しても,一般的な実用的復号法を得る手がかりが得られた.