京都大学大学院 情報学研究科 数理工学コース 応用数学講座
数理解析分野


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関西可積分系セミナー (2000年5月20日)

日時
2000年5月20日(土)10時-11時30分
場所
大阪大学基礎工学研究科数理科学ディスプレイ室(J617)
兪成周 (立命館大学), 戸田晃一 (立命館大学)
BLMP方程式,NNV方程式に関するお話

今回, Boiti-Leon-Martina-Pempinelli(BLMP)方程式と Nizhnik-Novikov-Veselov(NNV)方程式に関するまとめを我々の観点で述べたいと思います.これらの方程式についてはすでに多くの研究者によって種々の結果が得られていますが,まだわかっていない事柄も存在します.我々はこれらのいくつかを明らかにすることができました. 具体的には,modified BLMP(mBLMP)方程式とmodified NNV(mNNV)方程式のラックス対の導出です.これまで,2種類 のmBLMP方程式とmNNV方程式が知られています.これらのひとつは昨年の可積分セミナーでの中山 一昭氏(信州大学理学部)“曲線、曲面の運動とソリトン方程式”の話の中に出てきたもので,もうひとつはヒエタリンタさんの導出したものです. これら2つの違いについて述べたいと思っています.また,mBLMP方程式のパンルベテストについても述べます.最後に,ソリトン解だけでなく種々の解について述べる予定です.本研究の目的はアルゴリズムの立場から微分方程式を解くことにある.そのために主として使用する理論はグレブナー基底の理論である.グレブナ基底の理論と構成アルゴリズムとは 1960 年代に Buchberger 氏により多項式環のイデアルに対して導入されたが,計算方法は当時の数学者達の興味を引かなかった.しかし計算機代数の研究者達が関心を持つようになってからは計算機代数の花形となり現在でも盛んに研究されている手法の一つである.