京都大学大学院 情報学研究科 数理工学コース 応用数学講座
数理解析分野


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関西可積分系セミナー (2000年9月20日)

日時
2000年9月20日(水)15時-16時30分
場所
大阪大学基礎工学研究科数理科学ディスプレイ室(J617)
由良文孝 (東京大学数理科学研究科)
箱玉ソリトンと量子回路: 量子アルゴリズムへ向けて

因数分解を多項式時間で解ける量子アルゴリズムが発見されて以来,量子コンピュータは注目を集めている.しかしながら,これまでに知られているアルゴリズムは数少ない.一方(古典)アルゴリズムに注目すると(量子の反対語として古典と呼ぶことにする),さまざまなアルゴリズムが存在する.その中でも「良い」アルゴリズムと呼ばれる,非線形可積分系の時間発展に対応した一連のものがある.例えば,行列の対角化,数列の加速法,暗号の復号化,線形計画法などである.これらの背後には,可積分系の「良い」性質が潜んでいる.この点に着目すると,可積分系から「良い」量子アルゴリズムが得られるのではないだろうかと期待が持てる.本講演では,新しい量子アルゴリズムの発見や具体的な問題に対する応用への第一歩として,周期的な有限箱玉系の量子回路を考えてみる.また,量子コンピュータについては基礎的な解説を含める予定である.